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格安航空会社・どう差別化するのか [航空鉄道関係]


全日本空輸が香港の投資会社と共同で格安航空会社を設立し、2011年度の
下期から国際線と国内線の両方で運航開始という発表がありました。

拠点空港は関西空港とし、現時点での予測では関空と首都圏の空港を結ぶ
幹線ルートで5,000円程度の運賃を予定しているようです。

全日空(ANA)のブランドは使わず、給与体系を変えた乗務員で人件費
を抑制してコストを下げるという想定のようですから、基本的には乗務員
はパートタイム契約で、国際線の乗務員はほぼ100%が外国人という形に
なるのではないかと思います。


現在、全日空の国内線のエコノミークラスの機内サービスは水と緑茶以外
有料となっていて、無料貸与なのはヘッドフォン毛布のみで、小型機は
VODなどの先進システムの提供はありません。

では格安航空会社と全日空本体では、どこで差別化されるのでしょうか。

飲み物のサービスは一切なしで全て買い取り制となったとして、基本的に
AVシステムの提供はしないということならヘッドフォンは不要です。
毛布については、海外の格安航空会社と同様に一枚100円から500円程度で
レンタルということになったとしても、全日空本体とは大差ありません。
元々、毛布を使わない人には関係のない話です。

ということは、この程度の差異では全日空本体の方が割高感があり過ぎて
元々、格安航空会社並みのサービスしかしてないじゃんという話です。

航空会社にとって安全運航にはプレミアをつけるわけにはいきませんから
無事故で安心・安全というのは比較対象にはなりません。

海外の格安航空会社のように座席は早い者勝ちで事前指定なし、チケット
の発券は有料にして、搭乗券は回収可能なプラスチック製にしたとしても
削減できるコスト、補填できる経費は知れていますし、全日空のCRSで
予約処理をするでしょうから、事前指定をしようがしまいが、金銭面では
たいした削減にはならないのではないかと思います。

古い機材を使えば燃費が悪く、安全面のリスクが高くなり、新たに新造機
を導入すれば導入コストがかかりますので、全日空で使用中のB737の
旧型機を移管して使うのではないかと思いますが、機材も大差なければ、
ますます本体との差異は少なくなり、本体に対する値下げ圧力が強くなる
というようなことはないのでしょうか?

関空内に新設予定の格安航空会社専用のターミナルを使って、歩く距離が
長くなるとか言われていますが、例えば羽田に到着すれば、本体や他社と
同じターミナルを使うわけですからね、たいした負担ではありません。

そのように考えると、格安航空会社の運航開始と同時に少なくとも飲み物
の無料化など、現在よりもレベルを上げないと本体と格安航空会社の運賃
に倍以上の差を付けるのは難しいのではないかと思いますが、その辺りは
どのように考えられているのでしょう。

単に安ければいいと言っていたら、牛丼の価格競争と同じく、サービスの
提供側の方で何らかの歪みとか、働く人の待遇の低下などが出てしまって
結果として事故に繋がったなんてのは全く意味がありません。

全日空本体と格安航空会社の明確な差別化、顧客満足度だけでなく従業員
の満足度についても配慮できなければ、新事業として成功は難しいのでは
ないかと思っています。

現在窮乏、将来有望―評伝 全日空を創った男美土路昌一現在窮乏、将来有望―評伝 全日空を創った男美土路昌一
早房 長治

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