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海鳥の餌付けは止めましょう [動物・植物]


カモメやウミネコなどの海鳥に対して、餌付けをしてはいけない理由。

という点について、海鳥の専門家、自然写真家などの方々の意見を聞いて
纏めてみると以下のような点が問題点としてあがりました。

最近のカラスやキジバト、ドバトなどの餌付けについても基本的には同じ
ような視点で見る必要があるのかも知れませんね。


1.海鳥はスナック菓子を消化できない
ウミネコやカモメなどの海鳥は通常は、イカナゴなどの小魚や小さなエビ
やカニなどの甲殻類、そして昆虫など動物性の餌に偏った食性です。

研究者が死んだウミネコの解剖を行なうと、消化管の中からスナック菓子
がそのままの形で出てくるそうで、炭水化物原料であるスナック菓子は
ウミネコのような鳥にとっては消化できない食べ物になるわけです。

米食が中心の日本人の場合、欧米人にくらべて長い腸を持っているように
炭水化物は加水分解されて消化吸収されるまで、長い消化管を要します。

さらに繁殖期の給餌物はそのまま雛にも与えられますが、栄養にならない
ものを多量に摂取すれば、お腹自体は膨れても栄養不良な状態になって、
個体の状態によっては死亡することもありえます。

例えばエビせんの場合でも、ふだん食べているエビの風味があるのでつい
食べてしまうのだと思われますが、エビせんが自分自身で消化できるのか
という部分まで考えて食べている海鳥はいないということを認識しておく
ことは大切なことであるわけです。

2.野生生物との距離を縮めることの弊害
おなじ地球に暮らす生きものとしての、野生生物は人間と対等であるべき
ものであり、人間が「保護してあげる」ものではないという考え方です。

例えば、冬のエサのない時期は必要最小限の給餌をするべきであるという
考え方がありますが、観光資源としての餌付けはこれとは違います。

エサを与えるのが普通、エサがもらえるのが普通というような関係が当然
という状況になってしまうと、野生生物が人間との距離を誤解してしまう
ようになり、クマの餌付けをしたためにクマが人を恐れなくなって人里に
現れるようになってしまい、結果として射殺されてしまうとか、タヌキや
キツネがエサをおねだりして道路に寝そべり、そういうことに無関心な車
に轢き殺されてしまったりという事例が発生しています。

これはハトなどにも当てはまるわけで、マンションや倉庫などの人がいる
ところに平気で巣を作るようになり、エサを与える人、マンションの住人
の間での軋轢を発生させています。

これも野生動物に対する過剰な関わりの一つの例だと言えそうです。

一部の島では海鳥への餌付けを止めるようにしよう、と観光協会が決める
というところも出てきています。

もちろん観光資源としては、カモメが手から餌を取りに来ますというのは
魅力的だと思うんですよ、特に昨今のように地球環境の危機がマスコミ
取り上げられるようになって、自然に対して人目が向く機会も増えている
という状況ですから、野生動物と触れ合えるというのは大きな魅力の一つ
ですから、本当は止めたくないと思います。

が、自然界の野生生物は自然のまま見るのが最も自然であるという原則、
また人間との境界線が接近することによるトラブルの発生などの問題点を
考えると観光資源や人間の娯楽的要因で野生生物に接近するべきではない
という考え方ですね。

後、カモメと人間との質量(体の大きさ)の比較を考えてみても、人間の
体重と比較するとカモメの体重は約100分の1になるわけで、人間には問題
のない脂質・塩分量かも知れないスナック菓子もカモメにとっては人間の
100倍の濃度になるという比較論もあります。

kamome2.jpg

野生生物を身近で見てみたいという欲求は好奇心として、遊び心として、
多くの人にあるのは当然だと思いますが、環境保護・野生生物保護という
意味合いで考えた場合、観光資源としての餌付けは考え直すことが重要な
ことではないかと思うわけです。

ブログ記事としては長い文章になってしまいました。
最後まで読んでいただけた方、どうもありがとうございました。

動物の命は人間より軽いのか - 世界最先端の動物保護思想動物の命は人間より軽いのか - 世界最先端の動物保護思想
藤原 英司

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